Clara Whitmore · 更新日 2026年10月7日

Resend と Postmark の比較:トランザクションメールはどちらで送るか

ResendとPostmarkを月 3,000〜125,000 通の料金、Webhookの検証方式、Message Streams、乗り換え手順まで、公式の料金ページとドキュメントで比較します。

結論:月 5 万通を超えるなら Resend、配信の分離を重視するなら Postmark

2026年10月7日に読み取った料金ページでは、月 50,000 通の送信で Resend の Pro が $20、Postmark の Basic が $55 でした。量が増えるほど Resend が安くなりますが、月 10,000 通ほどの規模では逆に Postmark の Basic($15)のほうが $5 安くなります。料金以外では、Postmark はトランザクションメールと一斉配信を別々の「Message Streams」で扱い、IP の範囲も分けます。Resend は Webhook に Svix 方式の署名を付け、Postmark は署名ではなく Basic 認証と IP の許可リストで守る、という違いがあります。

ここで比べるのは、パスワード再設定、注文確認、請求通知のように「アプリケーションから 1 通ずつ送るメール」です。メルマガ配信の機能はどちらのサービスについても評価していません。料金はすべて米ドルで、出典は resend.com/pricing(トランザクションメールのタブ)と postmarkapp.com/pricing です。円換算はレートで変わるため載せていません。

プランを並べて見る

項目 Resend Postmark
無料プラン Free $0:月 3,000 通、1 日 100 通まで、ドメイン 3 つ Free $0:月 100 通、超過は不可
有料プラン Pro $20(月 50,000 通込み)、Scale $90(月 100,000 通込み) Basic $15、Pro $16.50、Platform $18(いずれも月 10,000 通から)
月 10,000 通 Pro $20(枠は 50,000 通まで) Basic $15 / Pro $16.50 / Platform $18
月 50,000 通 Pro $20 Basic $55 / Pro $60.50 / Platform $66
月 125,000 通 スライダーに125,000通の段はありません(Proは100,000通で$35、Scaleは200,000通で$160) Basic $115 / Pro $126.50 / Platform $138
追加 1,000 通あたり $0.90(Pro・Scale 共通) Basic $1.80 / Pro $1.30 / Platform $1.20
送信ドメイン数 Free 3 / Pro 10 / Scale 1,000 Basic 5 / Pro 10 / Platform 無制限
メールの種類の分離 料金ページは取引用とマーケティング用でタブが分かれる。送信側の分離はドメインで自分で設計する Message Streams で取引用と一斉配信を分け、IP プールも別

出典:Resend の料金ページと Postmark の料金ページ(2026年10月7日閲覧)。Postmark の 50,000 通と 125,000 通の価格は、料金ページのボリュームスライダーを動かして読み取った値です。Resend の 100,000 通(Pro $35、Scale $90)と 200,000 通(Scale $160)も、料金ページのスライダーを読み取った値で、計算値ではありません。

Resend の料金ページ(2026年10月撮影)
Resend pricing page as of 2026-10-07. Source: resend.com/pricing
Postmark の料金ページ(2026年10月撮影)
Postmark pricing page as of 2026-10-07. Source: postmarkapp.com/pricing

月10,000通から125,000通で実際にいくらか

月 50,000 通なら、Resend の Pro は $20、Postmark は Basic が $55、Pro が $60.50、Platform が $66 です。Resend Pro と Postmark Basic の差は月 $35、年間では $420 になります。ところが月 10,000 通まで下げると順位が入れ替わります。Postmark の Basic は $15 から始まりますが、Resend の Pro は 50,000 通まで入っていても定額で $20 です。10,000 通前後で安定している小さなサービスなら、Postmark Basic のほうが月 $5、年 $60 安く済みます。10,000 通と 50,000 通のあいだの価格は、Postmark の料金ページのスライダー(10,000 / 50,000 / 125,000 / 300,000 通、それ以上は 700,000 通と 1,500,000 通)でしか確認できません。この記事では読み取っていない中間の値は書きません。

Resend はスライダーの読み方が肝心です。Proは50,000通、Scaleは100,000通を含み、追加1,000通あたり$0.90と料金ページに書かれています。ただしスライダーにはProの100,000通の段があり、そこが$35です。同じ100,000通でScaleは$90、200,000通では$160なので、月100,000通ならProのほうが$55安くなります。125,000通の段はないため、この記事では数字を書きません。Scale を選ぶ理由は通数ではありません。料金ページによれば、ドメインが 10 から 1,000 に、Webhook エンドポイントが 5 から 10 に増え、専用の Slack チャンネルでサポートを受けられます。専用 IP とシングルサインオンはアドオンで、料金ページには専用 IP が月 $30(Scale で 1 日 3,000 通を超える顧客向け)、シングルサインオンが月 $150 と記載されています。

Resend の料金ページは、有料プランの超過分を従量課金で処理するスイッチ(「Enable pay-as-you-go」)として説明しています。スイッチを入れずに枠を超えた場合の挙動は、ページからは読み取れませんでした。パスワード再設定のような止められないメールを載せる予定なら、本番に入れる前にサポートへ確認するか、テストアカウントで枠を超える状況を試してください。

Postmarkはスライダーの段で価格が決まる点が違います。Basicは$15で10,000通から始まり、段は50,000通で$55、125,000通で$115です(Proは$60.50と$126.50、Platformは$66と$138)。追加1,000通あたりの単価は料金ページにBasic $1.80、Pro $1.30、Platform $1.20とありますが、計画に使うのは足し算の結果ではなく、スライダーの段の価格です。ピークの通数に合った段を最初から選んでください。なお、どちらのサービスも受信メールを送信数と合算します。Postmark のスライダーは「送信と受信の合計」を尋ね、Resend の料金ページも追加分を送受信で数えると書いています。

3 つの使い方で、年間の差額にそろえると次のようになります。Resend は Pro、Postmark は Basic で、どちらも読み取った価格か、その計算値です。

使い方 月の通数 Resend Pro Postmark Basic 年間の差
小さな会員サイトの通知 10,000 通 $20 $15 Postmark が $60 安い(月 $5 × 12)
EC の注文・発送通知 50,000 通 $20 $55 Resend が $420 安い(月 $35 × 12)
大きめのサービスの通知 Resendは100,000通、Postmarkは125,000通(隣り合う段) $35 $115 Resend が$960安い(月$80×12)。ただしPostmarkの段は25,000通多い

無料プランの使いどころ

Resend の Free は月 3,000 通ですが、1 日 100 通までというより厳しい上限があります。1 日に注文確認が 150 通出る日があれば、月の枠にはまだ余裕があっても送れません。Pro 以降は「No daily email limit」と料金ページに書かれており、日次の上限はなくなります。個人開発のサービスや社内ツールで、1 日の通数が読める場合に向いています。

Postmark の Free は本番用ではありません。料金ページの説明は「連携のテストと到達性の確認に」使うもので、月 100 通、超過は不可です。期限はないとされていますが、ステージング環境や小さな副業プロジェクトに限った使い方になります。会員向けサービスの本番にそのまま使える枠ではないので、本番では最初から Basic 以上を想定してください。

通数以外で効いてくる上限:ドメイン数と保存期間

プランを選ぶとき、実際には通数よりドメイン数と履歴の保存期間が先に問題になることがあります。Resend の料金ページでは、ドメインは Free で 3、Pro で 10、Scale で 1,000 です。Free のカードには 30 日のデータ保存と書かれていますが、Pro と Scale のカードには保存期間の記載がありませんでした。Postmark は Basic で 5 ドメイン、Pro で 10、Platform で無制限と書いています。データの保存期間は標準で 45 日で、Pro と Platform では最大 365 日まで延ばせます。受信メールの処理(Inbound email processing)は Pro と Platform の機能として挙がっていて、Basic のカードにはありません。

複数のクライアントのサイトを 1 つのアカウントから送る制作会社なら、Postmark の Basic は 6 つ目のドメインで、Resend の Pro は 11 個目のドメインで上限に当たります。本番とステージングで別の送信ドメインを使い分ける運用も、思ったより早くドメイン枠を使います。

履歴の保存期間は、問い合わせ対応で効きます。「3 週間前に送ったはずの領収書が届いていない」と言われたとき、Postmark の標準は 45 日分まで追えます。90 日や 180 日前の送信まで追いたいなら、Pro 以上を選んで保存期間を延ばす必要があります。Postmark の料金ページには、保存期間を延ばすアドオン(Custom activity retention)が月 $5 から、という記載もあります。

トランザクションメールと一斉配信を分ける

両者の設計がいちばん違うのはここです。Postmark は分離を製品に組み込んでいます。Message Streams のページによると、取引用のメールは「outbound」、メルマガや新機能の告知は「broadcast」のストリームで送り、両者は IP の範囲も含めて交わりません。Postmark はこの分離を長く続いてきたベストプラクティスと説明しています。同ページの比較表では、broadcast には配信停止リンクが必須で、取引メールには必須ではありません。すべてのストリームは同じ月間の送信枠を共有し、broadcast も取引メールや受信メールと同様に数えられます。

Resend の料金ページには、取引用とマーケティング用の 2 つのタブがあり、この記事の価格は取引用のタブから取りました。Postmark のように専用の IP プールを持つストリームの仕組みは、Resend では確認していません。分けたい場合は、送信元ドメインを分けるなどの方法を自分で設計し、ドメイン数の上限(Free 3、Pro 10)に響かないか確認する必要があります。なぜ分けるのかは、取引メールとマーケティングメールの違いを扱った記事(英語)が詳しいです。請求書とメルマガが同じドメインの評判を共有していると、メルマガへの苦情が請求書の到達率にまで影響し得ます。

日本の読者として押さえておきたいのは、広告・宣伝を目的とするメールには別のルールがかかる点です。総務省の迷惑メール対策のページは、広告・宣伝メールを送る場合は原則として特定電子メール法の規制対象になると説明し、事業者向けの「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」を案内しています。注文確認のような取引上の通知と、キャンペーン告知のような宣伝は、送信ストリームも運用ルールも分けておくと、後から整理しやすくなります。個別の案件が法令に当たるかどうかは、このページでは判断できないので、迷う場合は専門家に確認してください。

Webhook・エラー処理・二重送信の防止

トランザクションメールは、送った後に何が起きたかをシステムが知って初めて完結します。バウンスや苦情を取りこぼすと、届かないアドレスへ送り続けてしまいます。両者とも Webhook でイベントを通知しますが、守り方が違います。

Resend は、検証についてのドキュメントによると Svix で署名します。エンドポイントごとに秘密鍵があり、svix-id、svix-timestamp、svix-signature の 3 つのヘッダーを、加工していない生のリクエスト本文と照合します。JSON をいったんパースして再シリアライズしてから検証すると、署名が合わなくなります。イベントの種類には、email.bounced(恒久的な拒否)、email.complained(届いたがスパム報告された)、email.delivery_delayed(一時的な遅延)、email.suppressed などがあります。エンドポイント数は、料金ページでは Pro が 5、Scale が 10 です。

Postmark は、Webhook の概要のとおり HMAC 署名を提供していません。ドキュメントが挙げる対策は、Webhook の URL に認証情報を入れる Basic 認証と、Postmark が使う IP 範囲の許可リストの 2 つです。イベントは配信、バウンス、開封、クリック、スパム苦情、配信停止の変更などです。エンドポイントを登録する際に 200 が返るかを確認し、失敗した通知は 1、5、10、10、10、15 分間隔で計 6 回再試行します。再試行の対象は 5xx、408、429、接続エラーで、それ以外の 4xx は恒久的な失敗として破棄されます。受け側で一時的な障害が起きたときに 400 や 404 を返すと、そのイベントは失われます。イベントは重複して届くことがあるため、ドキュメントは MessageID か X-PM-Webhook-Trace-Id ヘッダーを保存し、処理の前に確認するよう勧めています。

二重送信を防ぐ仕組みは Resend にあります。ドキュメントでは、HTTP ヘッダー Idempotency-Key(SMTP では Resend-Idempotency-Key)にキーを渡し、長さは 1〜256 文字、保存期間は 24 時間です。同じキーで再送すると同じレスポンスが返り、2 通目は送られません。決済のリトライ処理のように、同じ通知を何度も呼びうる場面では役立ちます。Postmark に同等の機能があるかは確認していないので、Postmark を使う場合はアプリケーション側で送信 ID を保存し、再試行の前に確認する設計にしてください。

どちらを選ぶか

Resend が向いているケース

  • 月 10,000〜100,000 通で費用を抑えたい。Pro $20(50,000 通込み)と Postmark Basic $55 では、年間で $420 の差になる。
  • 開発・検証用に、月 3,000 通までを無料で回したい。Postmark Free の 100 通では足りない。
  • Webhook を IP の許可リストではなく、署名の検証で守りたい。
  • アプリ側で、再試行による二重送信を Idempotency-Key で防ぎたい。

Postmark が向いているケース

  • 取引メールと新機能の告知を同じアカウントで送りつつ、IP の範囲は共有したくない。
  • 月 10,000 通前後で安定している。Basic $15 は Resend Pro $20 より月 $5 安い。
  • サポート対応のために、45 日より長く送信履歴を遡りたい。Pro と Platform は最大 365 日まで保存できる。
  • 返信メールをシステムで処理したい。Inbound email processing は Pro 以上のプランの機能として料金ページに載っている。

2 社を併用する場合

併用は、分ける理由がはっきりしているときだけにしてください。たとえば、止められないシステム通知は Postmark、通数の多い通知は費用面から Resend、という分担です。理由なく併用すると、Webhook のハンドラ、ドメイン、請求が 2 倍になります。製品内のメールを API 呼び出しではなく利用者の行動で出し分けたい場合は、英語のLoops と Resend の比較が参考になります。Postmark を別の大手と比べたい場合は、英語のPostmark と SendGrid の比較を、届かない原因の切り分けには配信到達率のガイドを読んでください。

導入前にテストする 7 項目

どちらを選ぶ場合でも、本番の前に無料プランやテスト用のドメインで、次の項目を確かめてください。

項目 試し方 見るところ
1. ドメイン認証 SPF・DKIM を設定してテスト送信 ヘッダーで pass になるか
2. 日本語の件名・本文 日本語の件名と本文で送る 文字化けや途中での切れ方
3. バウンスの通知 存在しないアドレスへ送る Webhook でイベントが届くか
4. Webhook の検証 署名や Basic 認証を設定する 不正な呼び出しを拒否できるか
5. 二重送信の防止 同じ送信を 2 回呼び出す 2 通目が送られないか
6. 上限の挙動 テストアカウントで枠を使い切る 止まるのか、課金が続くのか
7. 携帯キャリアへの受信 実際の端末へ送る 受信できるか、迷惑メールに入らないか

Resend から Postmark へ、そして逆方向への乗り換え

手間がかかるのは送信 API ではなく Webhook です。Resend から Postmark へ移すなら、Svix の署名検証を捨てて、Webhook URL の Basic 認証か IP の許可リストに置き換えます。イベント名も変わります。email.bounced と email.complained は Postmark のバウンスとスパム苦情のイベントに対応させ、冪等性はリクエストごとのキーから、保存した MessageID の照合に変わります。移す前に、どのメールを取引用ストリーム、どのメールを broadcast ストリームに入れるかを決めてください。broadcast では配信停止リンクが必須です。

逆に Postmark から Resend に移す場合は、生の本文に対する署名検証を新しく実装し、メールの種類の分離を自分で設計することになります。取引の種類ごとに Webhook のエンドポイントを持たせているなら、Pro の 5 という上限にも注意してください。どちらの方向でも、先に新しい送信ドメインを設定し、SPF と DKIM を整えます。Google の送信者のガイドラインは、すべての送信者に少なくとも一方の認証を求めています。テストメールを実際の受信箱に送り、パスワード再設定、領収書、バウンスの通知が最後まで流れるのを確認するまで、古いサービスは止めないでください。

よくある質問

ResendとPostmarkで、どちらが安いですか?

月 50,000 通前後からは Resend です。Pro が $20、Postmark の Basic は $55 です。月 10,000 通なら Postmark Basic の $15 のほうが、Resend Pro の $20 より安くなります。月100,000通前後では、Resend Proが$35、Postmarkは125,000通の段でBasicが$115です(Postmarkに100,000通の段はありません)。

無料で使えますか?

両方とも無料プランがありますが、性格は違います。Resend Free は月 3,000 通、1 日 100 通まで、ドメイン 3 つです。Postmark Free は月 100 通のテスト用で、超過はできません。

取引メールとメルマガは、分けて送るべきですか?

義務ではありませんが、両方を送るなら分けておくほうが安全です。Postmark は Message Streams で IP の範囲まで分けます。Resend では送信元ドメインなどで自分で分けます。日本向けに広告・宣伝メールを送る場合は、特定電子メール法の対象になるかも確認してください。

専用 IP は、どちらで使えますか?

Resend は専用 IP が月 $30 のアドオンで、Scale プランで 1 日 3,000 通を超える顧客向けとされています。Postmark は 1 つにつき月 $50 から、月 300,000 通以上を送る Pro 以上の顧客向けです。どちらも少ない通数では使えない条件です。

無料プランのまま本番に使えますか?

Resend Free は月 3,000 通、1 日 100 通までなので、小さなサービスなら使えます。Postmark Free は月 100 通のテスト用で、本番には向きません。どちらも、1 日や 1 か月の枠を超える日が出るなら、有料プランが必要です。

Webhook はどう守ればよいですか?

Resend は Svix 署名で、3 つのヘッダーを生の本文と照合します。Postmark は HMAC 署名ではなく、Basic 認証と IP の許可リストです。どちらの場合も、イベント ID や MessageID を保存し、重複して届いた通知を二重に処理しないようにしてください。